ココアとオレンジのキャトルキャール
生地にココアパウダーとオレンジピールを混ぜ込んだキャトルキャールを作りました。
キャトルキャール(🇫🇷 quatre-quarts)とは、フランス語で「4つの(quatre)4分の1(quart)」という意味で、バター、砂糖、卵、薄力粉の4つを1/4ずつ混ぜ合わせる作り方に由来しています。詰まるところ、キャトルキャールとパウンドケーキは生まれが違うだけで材料が全く同じお菓子です。因みに、パウンドケーキ(🇬🇧 pound cake)は各材料を1ポンド(450g)ずつ加えるところから命名されました。
今回は前述の4つの材料を混ぜ合わせた生地に更にココアパウダーとオレンジピールを加えていますが、基本の材料の分量を変更して調整する必要はありません。ココアの豊かな甘さとコクは、オレンジピールの苦みと芳香の相性が抜群です。ダメ押しでオレンジの香りがするキュラソーと呼ばれるリキュール*1を加えて、少し大人の味のキャトルキャールに。
材料(L17cm×W8cm×H5cmのパウンド型 1台分)
無塩バター | 100g |
グラニュー糖 | 100g |
全卵 | 2個分(100g) |
薄力粉(エンジェライト) | 100g |
ココアパウダー | 10g |
ベーキングパウダー | 小さじ½(2g) |
オレンジピール(ダイスカット) | 90~100g |
キュラソー | 小さじ2(10mL) |
手順
下準備
- クッキングシートをパウンド型のサイズに合わせてカットし、パウンド型に敷き込んでおく。
- 無塩バターは室温に戻すか電子レンジで200Wで1分加熱し、指で容易に押し潰せるくらいの柔らかさにしておく。
- 薄力粉、ココアパウダー、ベーキングパウダーは篩に掛けておく。
生地を作って焼く
- ボウルにバターを入れ、ホイッパーでふんわりとしたクリーム状になるまで練る。
- グラニュー糖を2回に分けて加え、白っぽくなるまで擦り混ぜる。
- 全卵を2回に分けて加え、バターの油分と卵の水分と乳化させるようにしっかりと混ぜる*2。
- 薄力粉、ココアパウダー、ベーキングパウダーを加え、スパチュラで粉っぽさが無くなるまで切るように混ぜる。
- オレンジピール、キュラソーを加え、均一になるように混ぜる。
- クッキングシートを敷いたパウンド型に生地を流し込み、表面を均し、型を高い位置から3回ほど落として空気を抜く。
- 180℃に予熱したオーヴンで45分焼く*3。
- パウンド型からケーキを外し、ケーキクーラーなどの上に置いて冷ます。
ポイント
- 基本の材料であるバター、砂糖、卵、薄力粉は同じグラム数であると覚えておくと良いです。
このレシピで実際に使用した商品
サントリー 製菓用リキュール ケーキマジック オレンジキュラソー 100ml
- メディア: 食品&飲料
チョコレート/ラズベリーのクリームパン
ラズベリーとチョコレートのクリームパンを作りました。
パン生地は、強力粉だけではなく薄力粉を混ぜることで、焼いた時の生地の膨らみを抑えつつ、もっちりとした食感に。カスタードクリームはミルクパンを使わずに電子レンジで加熱することで簡単に作れます。
材料(直径8cm 各3個分)
生地(6個分)
強力粉(オーション) | 125g |
薄力粉(エンジェライト) | 75g |
インスタントドライイースト*1 | 3g |
上白糖 | 20g |
スキムミルク | 20g |
塩 | 2.5g |
無塩バター | 20g |
全卵 | ½個分 |
水 | 全卵と合わせて100g |
ドリュール
全卵 | ½個分 |
チョコレートクリーム(3個分)
卵黄 | 1個分 |
グラニュー糖 | 10g |
薄力粉 | 10g |
牛乳 | 90〜100mL |
ビターチョコレート | 25g |
手順
クリームを作る
- 耐熱性のボウルに卵黄を入れて軽く解し、グラニュー糖を加えて白っぽくなるまでホイッパーで擦り混ぜる。
- 卵液が纏まってだらだらと落ちる程度まで混ぜたら、薄力粉を篩い入れて混ぜる。
- 牛乳を2回に分けて加え、その都度混ぜる。
- ボウルにラップを掛けて、電子レンジで500Wで2分30秒加熱する。
- 電子レンジから取り出して、クリームを均一になるまでよく混ぜ、再び電子レンジで500Wで1分加熱する。
- 電子レンジから取り出したら、
- チョコレートを加え、クリームが均一になるまで混ぜ溶かす。
- フランボワーズピューレを加え、クリームが均一になるまでよく混ぜる。
- クリームをバットなどの容器に移し、ラップをクリームの表面と密着させるように覆い*2、その上から保冷剤などを当てて急冷させる*3。
パン生地を作る
クリームを包んで焼成する
- 生地は、閉じ目を上にして満遍なくガスを抜き、周りを薄くしながら直径12~15cmに広げる。
- 生地の上にクリームの1/3量を乗せ、包んでしっかりと閉じる。
- クッキングシートを敷いた天板に生地を閉じ目を下にして置き、ラップを掛けて40℃に設定したオーヴンで15分発酵させる(2次発酵)。
- 発酵が終わったら、生地の表面に刷毛でドリュールを塗り、200℃に予熱したオーヴンで10~15分焼く。
このレシピで実際に使用した商品
オーション(日清製粉) / 1kg TOMIZ/cuoca(富澤商店)
- メディア: その他
ニッテン とかち野酵母インスタントドライイースト 1箱(5g×6袋)
- メディア: その他
初音ミクの髪の毛
3月9日は初音ミクの日だったので、初音ミクの髪の毛を作りました。
初音ミクの髪の毛を再現する際には、「中華麺」と「紫色の食用粉末色素」の2つがマストの材料となりますが、中華麺は鹹水(かんすい)が含まれているものを、紫色の食用粉末色素はムラサキイモ由来のものを使用してください(原材料をよく確認すること)。中華麺には、コシを出すために鹹水というアルカリ性の食品添加物が含まれており、ムラサキイモ由来の食用色素には、アントシアニンという色素が含まれています*1。このアントシアニンは、中華麺の鹹水に触れることによって、pHが中性からアルカリ性に移り、それに従って紫から青緑への変色を呈します。この現象は小学校などの科学実験でもよく取り上げられています。因みに、アントシアニンは酸性になるとピンク色に変わります。色味を青緑のまま保持したい場合は、レモン汁や酢などの酸性の調味料は含めないようにしてください。
材料(1人分)
中華蒸し麺 | 1袋 |
豚バラ肉(薄切り) | 50gぐらい |
長葱(青い部分) | 25gぐらい |
長葱(白い部分) | 10gぐらい*2 |
乾燥桜海老 | 小さじ1 |
糸唐辛子 | 適量 |
食用粉末色素(紫) | 1g |
胡麻油 | 大さじ1 |
塩 | 小さじ¼ |
胡椒 | 少々 |
鶏がらスープの素 | 小さじ½ |
料理酒 | 大さじ½ |
手順
このレシピで実際に使用した商品
粉末食用色素(紫) / 2g TOMIZ(富澤商店) 色素 天然色素
- メディア: その他
牛すじ肉の土手焼き
綺麗な牛すじ肉を目の前にして、土手焼きにしてあげることしか思い浮かびませんでした。
串カツを食べに行った時には、ほぼ必ずと言っていいほど土手焼きを最初に注文します。肉のくせに前菜のような扱いを受ける大阪のソウルフード。玉子焼きの美味しいお寿司屋さん、ポテトサラダの美味しい居酒屋、土手焼きの美味しい串カツ屋は、きっと何を食べても美味しいはず。皿に残った味噌も無駄にせず、キャベツで掬って食べる。肉の旨味が溶け出しているので、キャベツの淡白で瑞々しい味と相性が良い。串カツを食べる前に良い気分になってしまいます。
「土手焼き」という名前は、鍋の内側に土手状に味噌を塗ってから調理することに由来しますが、煮るだけで普通に作れますし一般的にはそうします。牛すじ肉はしっかりと下処理をしてから香味野菜と共に長時間茹でることで、独特の臭みと取り肉質を柔らかくし、白味噌をベースにじっくりと煮込んでいきます。
材料(2~4人分)
牛すじ肉 | 500g |
板こんにゃく | 1丁 |
生姜 | 1片(20g) |
長葱(青い部分) | 1本分 |
水 | 1L |
日本酒 | 200mL |
白味噌 | 大さじ3 |
合わせ味噌 | 大さじ1 |
味醂 | 大さじ1 |
上白糖 | 大さじ1 |
顆粒出汁 | 小さじ1(½袋,4g) |
刻み青葱 | 適量 |
七味唐辛子 | 適量 |
手順
牛すじ肉の下処理
- 鍋にたっぷりの水を入れて火に掛け、沸騰させる。
- 牛すじ肉は一口大に切り、熱湯で1分茹でて灰汁と過剰な油脂分を出す。*1
- 牛すじ肉は取り出して流水でよく洗い、笊に上げて水気を切っておく。
その他の材料の下拵え
姫林檎のまるごとアップルパイ
梅田のルクアの地下にあるキッチン&マーケットで可愛らしい林檎を見つけたので買いました。
「アルプス乙女」という品種で、「ふじ」と「姫林檎」の掛け合わせによって生れたと言われています。直径は約40mm、重さは約40gで、果肉はやや硬めではあるものの、甘みと酸味がバランス良くしっかりと感じられます。お祭りなどの屋台で林檎飴として見かけることが多いです。因みに、「紅玉」は果肉が硬く、甘みも少なく酸味が強いので、生食には向かず、専ら製菓用に使われます。
今回はこの「アルプス乙女」をまるごとパイ生地で包んだアップルパイを作りました。林檎は皮を剥いて芯を抜き、コンポートにします。穴にカスタードクリームを詰め、パイ生地で包んでオーブンで焼き上げます。
材料(12個分)
姫林檎のコンポート
姫林檎(アルプス乙女) | 12個 |
グラニュー糖 | 100g |
白ワイン | 100ml |
水 | 100ml |
パイ生地
冷凍パイシート(100mm×100mm×1mm) | 12枚 |
全卵 | 適量 |
- 卵は、パイ生地に塗るために使う。
手順
姫林檎のコンポートを作る
- 姫林檎は水でよく洗い、皮を剥く。皮は、果肉の色付けに使用するので、捨てずに取っておく。
- φ10~20mmのコアラーを使って姫林檎の芯を抜く。芯は、使わないので捨てる。
- 小さめの鍋にグラニュー糖、白ワイン、水を入れ、強火に掛けてグラニュー糖が溶けるまで加熱する。*1
- グラニュー糖が溶けたら一旦火を止め、同じ鍋に姫林檎の皮と果肉を敷き詰めるように入れる。
- 弱火に掛けて*210分加熱し、姫林檎を上下にひっくり返して更に10分加熱する。
- 火を止めて、粗熱を取っておく。
カスタードクリームを作る
- ボウルに卵黄と上白糖を入れ、白っぽくなるまでしっかり混ぜる。
- 薄力粉を加え、軽く混ぜる。
- カップに牛乳と鞘から出したバニラビーンズを入れ、600Wの電子レンジで1分間温める。
- 温めた牛乳を少しずつ加えながら混ぜる。*3
- 卵液を小鍋に移して中火に掛け、スパチュラなどで絶えずゆっくりと混ぜる。
- とろみが付き始めたら、もったりとするまで素早く混ぜる。
- 出来上がったカスタードクリームをバットに広げ、カスタードクリームの表面に密着させるようにラップを掛ける。
- バットの下とラップの上から氷や保冷剤を当て、急冷する。
パイ生地で包んで焼く
- 姫林檎のコンポートはクッキングペーパーで余分な水気を取り除いておく。
- カスタードクリームは絞り袋に入れておく。
- オーブンは200℃に予熱しておく。
- パイシートの中心上に、姫林檎のコンポートを置き、空洞部分にカスタードクリームを流し込む。
- パイシートの四隅を持ち上げるようにして姫林檎を包む。
- クッキングシートを敷いた天板にパイを乗せ、表面に卵を塗る。
- 200℃に予熱したオーブンで20~30分焼く。
小さなガレット・デ・ロワ
お正月にずっと欲しかった冷凍パイシートを遂に買いました。手元に届いて使う前から浮かれて喜んでいたら、1月6日はガレット・デ・ロワを食べる日だということを前日の1月5日に知りました。というわけで、翌日に急遽このパイシートを使って小さなガレット・デ・ロワを作ってみました。
ガレット・デ・ロワ Galette des rois は、1月6日の公現祭 Epiphanie を祝って食べられるフランスのお菓子。中にはアーモンドプードルを使ったクレーム・ダマンドが入っています。クレーム・ダマンド crème d'amande とはフランス語で「アーモンドクリーム」のこと。これをパイ生地で包んで焼く。焼く前にはナイフで模様を描いて、焼いている途中でキャラメリゼをして、手間は少し掛かりますが、見た目ほど難しいものではありません。
材料(φ100mm 5個分)
クレーム・ダマンド
無塩バター | 50g |
グラニュー糖 | 50g |
全卵 | 1個分(正味50g) |
アーモンドプードル | 50g |
ダークラム | 5ml |
- バター、砂糖、卵、アーモンドプードルを同量で混ぜれば良い(「四同割」という基本のレシピ)。
- アルコールが苦手な場合は、ダークラムは加えなくても良い。
手順
クレーム・ダマンドを作る
- 無塩バターは、常温に戻しておく。
- ボウルにバターを入れ、クリーム状になるまで練る。
- グラニュー糖を加え、色が少し白っぽくなるまで擦り混ぜる。
- 全卵をよく溶きほぐしてから加え、乳化するまで混ぜる。
- アーモンドプードルを加え、馴染むまで混ぜる。
- ダークラムを加える。
- ラップをして冷蔵庫に入れておく。
パイ生地で包んで焼く
- 冷凍パイシートは、冷凍庫から冷蔵庫に移して10~15分解凍しておく。
- パイシートの中心上にクレーム・ダマンドをφ75mmになるように10g置く。
- クレーム・ダマンドを乗せたパイシートの余白の部分に卵を塗ってから、もう1枚のパイシートを被せ、しっかりと閉じるように押さえる。
- φ90mm(3号)のセルクルを使って5つのパイを円の形に抜く。
- オーブンを200℃に予熱しておく。
- クッキングシートを敷いた天板にパイを乗せ、表面に卵を塗る。
- パイの表面にナイフなどで中まで貫通しないようしながら模様を付け、竹串などで中心に空気穴を開ける。
- 200℃に予熱したオーブンで20分焼く。
- パイが焼き上がったらオーブンから一度取り出し、茶漉しでパイの表面に粉糖を塗してからオーブンに再び戻し、230℃で10分加熱してキャラメリゼする。